お知らせ

2020.11.01

英幼稚園

2020 はなぶさレター 11月号

運動会から園外保育まで行事満載の10月を終え、園内の時間の流れも少しゆっくりとしたリズムに変わりました。今は、これまでの経験で積み上げたその子なりの成長をしっかりと定着させる時期になります。ご家庭でもお子様の変化をじっくり眺めてみるのも良いと思います。
さて、今回は少しショッキングな話題をお伝えします。今や日常の中にすっかり溶け込んでしまった「AI(人工知能)」ですが、その存在はこれからの社会を大きく変えると言われています。その利便性は言うまでもないのですが、それによって無くなる仕事と新たに生まれる仕事については、子ども達の将来のことですので皆さんも関心が高いのではないでしょうか。そんな中で出会った本が「AI vs 教科書が読めない子どもたち」です。この本の詳細についてはぜひお読みいただくとして、「教科書が読めない」とは一体どの程度なのでしょうか? 結論から言えば、中学校卒業時点でおおよそ3割の子ども達が簡単な文章を理解できていない(読解力がない)、学力が中位程度の高校でも半数以上が内容理解を要する読解が出来ていないというものでした。しかし、残念ながら現段階では、読解力の低い理由と、どうすれば向上するかの明快な答えには辿り着いていないということです。ただし読解力の向上には、多読よりも精読、深読が期待できるとしています。また、この調査に協力したある中学校では、先生方も同じテストを受け、自分達の誤答をヒントに子ども達がどこでつまづいているのかを見つけてサポートしてあげる取り組みをしたところ、めきめきと伸びたことから、学校教育における教師のサポートで十分に読解力が伸びる可能性を示していました。では、乳幼児期には何ができるでしょうか・・・。ここからはあくまで私見ですが、読み聞かせ、会話、読書ではないかと思います。年齢に合わせて絵本やお話しを正しい言葉で聞いて、自由に感じたことや思いついたことを言葉にする。その言葉を受けて読み手(親)が共感したり違う視点を気付かせてみることで想像の世界が広がる。そんなやり取りを経験した子は、読書ができるようになったころには文章の意味を考えたり、イメージを膨らませたりしながら読むことを楽しめるようになるのではないかと思います。また、乳幼児はお気に入りの本を何度も呼んでくれとせがみますが、繰り返し読むことで精読・深読につながります。ただ文字を追うのではなく、その意味を理解し、情景や心情を理解した読書となり、読解力も伸びていくのではないでしょうか。
AIが苦手とする読解力を手に入れ自分たちの力で未来を創造していく子ども達の為に、今一緒にいられる時間を大切に過ごしていきたいですね。

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