お知らせ

2019.06.10

英幼稚園

はなぶさレター 6月号

セロテープの補充や残った牛乳の返却など事務所には先生からお使いを頼まれた子ども達が毎日やってきます。困ったような表情で助けを求めてくる子、何も言わずに用を済ませて行ってしまう子、緊張しながらも「失礼します」と入ってくる子と様々です。私はお使いに来た子と少しだけユーモアを交えながら会話をするのが大好きです。お使いで大切なことは、目的を果たすために誰に何をどのように伝えれば良いかを考えることです。子ども達は私の質問をかいくぐりながら頑張ってお使いをやり遂げます。たとえ上手くやり遂げられなかったとしても頭と心をフル稼働させることは、思考力や問題解決能力を高めていきます。
以前、息子の中学校の校外学習のプリントを見て驚いたことがあります。プリントの持ち物の欄には、「校外学習に必要なもの」としか書かれていなかったのです。自分でそれを持つ理由、持たない理由を考えることは、結果として過不足があったとしてもいつでも思慮深く考え自分の選択に責任を持つようになる良い経験になると感じました。幼児であっても自分の力で考える、選択する経験は思考力とともに失敗してもめげないたくましさを育てる機会となります。昨今は私も含め大人であっても額面通りにとらえ、それまでの経験や情報を踏まえて判断することが苦手になっているように思います。園からの手紙も分かりやすく伝わるようにと細部にわたり繰り返し発信することが却って情報過多になってしまい大切なことが伝わらず混乱したり、読む気が失せたり、書いていなかったから、言われなかったからと質問が来ることが増えており何を伝えて何を省くか悩むこともしばしばです。分からないことの答えや解説を即座にしてくれるインターネットの普及も人が本来持っている思考力・想像力・応用力を衰えさせているようにも感じます。便利さによって自らの力が衰えないようあえて不便を選択することも大切かもしれません。余談ですが、ときどき私は外出先で家族と待ち合わせるとき、家族の嗜好や行動パターンからきっとこの辺りにいるなと一人で推理して楽しんでいます。
自分の能力(野生の本能?!)を高められるよう意識して生活していきたいですね。

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